皇室ご来臨の文化活動

1992年、阿倍野近鉄百貨店のアート館で行われた江上波夫文化勲章授賞記念イベントでは、彼の考古学上の発掘品、人間国宝加藤卓夫氏の陶磁器、そしてアナビアン・コレクションが一堂に展示された。

著名な考古学者によるフォーラム 1991年
三笠宮殿下もご来場され、ペルシャの歴代王がモチーフに織られた絨毯をご覧になられている場面。
阿倍野近鉄百貨店のアート館で行われた江上波夫文化勲章授賞記念イベントでは、彼の考古学上の発掘品、人間国宝加藤卓夫氏の陶磁器、そしてアナビアン・コレクションが一堂に展示された
類学者江上波夫の文化勲章記念イベントにて 1991年
 江上波夫文化勲章授賞記念イベントにて、シルクロードに関する頂点に立つ学者たちがパネルディスカッションを行った。

浜松楽器博物館での展開

1995年、浜松楽器博物館でアナビアンコレクションからペルシャ伝統楽器が常設展示された。

浜松楽器博物館の展示室 1997年
セタール―静寂を誘う音
古代メソポタミアで生まれた撥弦楽器。ペルシャ語で“セ”は「3」、“タール”は「弦」の意味。今は、4弦になっている。
トンバック―無数の音色を出す太鼓 ワイングラスの形状をした片面太鼓。トンバクという名はその音色に由来する。
皮の中心、周り、縁など叩く場所によって音色が違う。叩いたり、擦ったりし、弾いたりし、両手の10本の指や手の平を使い分け、高い音から低い音まで、無数の音色を作り出すことができる。何百年も前からレスリングの練習にリズムをとるためにも使われてきた。
タール―ギターの父 タールはペルシャ語で弦という意味。タールは、8時型の特徴ある銅に、2本1組の金属弦が3組張られている。長さ2cmほどの金属製ピックを使い、弦をはじいてトレモロで演奏する。このような長い棹をもつ弦楽器はシルクロード沿いに広く分布している。日本の三味線もこのなかまです。タールはペルシャ語で「弦」の意味。ペルシャ音楽では重要な楽器。
ヴァイオリンの祖先―カマンチェ 三弦または4乾の楽器。ヨーロッパに広がるとヴァイオリンに進化。弓はヴァイオリンやチェロとは反対。手のひらを上向けに持つ。

2013年、ペルシャ美術工芸品、アナビアン・コレクションが初代から2世代に受け継がれた。プーリー・アナビアンの協力によって、ペルシャ伝統楽器コレクションが浜松楽器博物館に展示された。

紀元前土器から12世紀のペルシャ・ブルーの陶器を梱包から解いてるところ
スザニという刺繍したクロスをバックに、サファイヤ・ブルー、トルコ・ブルーなど様々な青い陶器をディスプレーしました。
ペルシャ芸術のなかで、もっとも魅惑的な表現法である書道は、イスラム以前の時代から高いレベルの芸術として熱愛されてきました。書道家は、自作の葦ペンを万年筆の形に削り、墨に付けてカリグラフィー用のつるつるした紙に詩歌を書き上げます。
錦:
宝石のような刺繍は、宮廷のために織られ、重宝された。ヨーロッパ貴族向けには金糸や銀糸で織られ、大きな産業となり貴賓などを迎えるために敷かれた。

陶:
ラスター彩
金を含んだ泥状の顔料で陶器の表面に光沢が与えられている。この技術は、一度14世紀にモンゴル軍の侵入によって技術が失われたが16世紀のササヴィー朝でこれらの陶器群が繁栄した。18世紀に再び技術が途絶え、20世紀後半に加藤卓夫氏によって再度復活され、加藤ラスター彩として蘇った。
「悠久のペルシア~錦と陶の美7000年~」2013年

奈良薬師寺での展開

2011年11月2日[水]→11月14日[月]悠久のペルシャ
7000年の美と伝統を受け継ぐ アナビアン コレクションの開催

正倉院展が開催される秋、シルクロードの終着地である奈良薬師寺門前でペルシャ文化財コレクションを披露。
和室の部屋でイランの国宝級の陶器や錦を無造作に並べた。
7000年前の巨大な素焼きの土器は真直では、めったに見られない代物。古代の人はこのなかに麦を保存していた。
プーリー・アナビアンはペルシャの古典楽器の演奏家であり、一世紀つづく王家の古美術顧問の家系
アナビアン・コレクションのなかで最も代表的なのがペルシャ錦。人の手で創り得る最も精密な織物の技術は、100年前に失われ、二度と織ることができない。
ディスプレーは、ショーケースを使っていないので和風目線で低く鑑賞してもらえた。
2011年11月18日奈良日日新聞による記事。オープンミュージアムの形式を高く評価していただきました。

日航ホテルでの展開

悠久のペルシャ
7000年の美と伝統を受け継ぐ
アナビアン コレクション


ホテル日航茨木 大阪 2Fのロビーの大きなガラスケースに7000年の歴史を持つ宝物を展示。そのなかには、ペルシャ全土から出土した土器、青銅器、陶器金銀器、珠玉、タイル、石彫、動物の形をした器、イスラム芸術、ペルシャ錦やカシミール毛織物がカラフルにインテリア―・デザインをイメージにディスプレー。小さなお子様から専門家までご満喫していただいた。
ペルシャブルーの椀(12世紀)のなかにはヨーグルトがい入っていた。今でも、ヨーグルトは変わらぬ、古代と同じようなお椀で出される。動物の形をした器(4000年前)は、リュトンと言われ、ワインを入れていた。農家が飼っていた山羊や羊は、生活する上で大切だったので器のデザインに使われた。
7000年前の人々は、生活のなかで素焼きの器に食料品を貯蔵していた。紀元前土器とペルシャ刺繍織物を使ったインテリアーデザイン:プーリー・アナビアン

紀元前の生活の調度品を見ると色んな時代の食文化が垣間見ることができます。お子さんの感性にも呼応したのか、展示品を見てから、名前を記帳してくれた。
平成23年2月17日北摂版の産経新聞にも取り上げられた。